頭が痛い。でも、できれば薬は飲みたくない。
そう思ったことはありませんか。
私はふだん、頭痛薬を飲みません。私はドライアイで、目が乾燥して頭痛になることが多いので、だてメガネをかけて、目がじっくり潤ってくるのを待つか、少し昼寝をするか。たいていはそれで治まります。
でもこの前は、そのどちらもする時間がなく、仕事で動き回って気持ちも悪くなりそうだったので、久しぶりに薬に頼りました。
確かに痛みは引きましたが、翌日になっても頭がふわふわして、足元がはっきりしない感じが残りました。
仕事はできる。でも、なんとなく自分の頭で考えていない感じがする。「これ、体によくないな」と思いました。
そこで、たどり着いたのがゲンコツを作って頭をこするだけの方法でした。
薬より効きが早かったくらいで、道具もいりません。
先に結論:ゲンコツで、痛い場所を1分こする

やることはこれだけです。
- ゲンコツを作って、出っぱった関節を当てる
- 頭をゴリゴリして、痛いところを探す
- 見つけたら、痛気持ちいいくらいの力でこする
- 1分ほどで痛気持ちいい感じが消えるので、そこでやめる
終わると、まず首が軽くなります。頭痛のほうも、私の場合は数分以内に引いていきます。
私の場合、痛みの出どころは頭そのものではなく、首と頭皮のこわばりでした。だから、そこをゆるめると引いていきます。
なぜ首や目の疲れが「頭の痛み」になるのか

意外に思われるかもしれませんが、首や頭皮のこりは、離れた場所に痛みを飛ばします。
これは「関連痛」と呼ばれるもので、こっている場所と、痛みを感じる場所が一致しません。首のうしろがこっているのに、こめかみや目の奥が痛くなる。これがよく起こります。
特に関係が深いのが、後頭部の生えぎわにある小さな筋肉のあつまりです。頭と首のつなぎ目にあって、目を動かすたびに細かく働いています。
そのため、近くを見続ける作業が続くと、ここが真っ先に固まります。スマホ、パソコン、細かい手作業。目の疲れが首のこりになり、それが頭の痛みとして出てくる、という順番です。
さらに近年の研究では、この筋肉の一部が脳をつつむ膜と、結合組織でつながっていることが分かってきました。筋肉が縮んだままだと、その膜が引っぱられます。「首の奥をゆるめると頭が楽になる」ことに、解剖学的な裏づけがあるわけです。
私の頭痛は、目が乾いた日に出る
自分のことで言うと、頭痛の入り口はほぼ決まっています。目が乾いているときです。
もともとドライアイで、目薬はさすのですが、効くのは一時的です。しばらくするとまた乾いてきます。
それで、いつもだてメガネをかけるようになりました。度は入っていません。目のまわりを風から守るだけのものです。
これが意外なほど効きます。特に夏場、クーラーの風が直接目に当たらないというだけで、乾き方がまるで違います。目薬を足すより、風を止めるほうが長持ちしました。
一度、だてメガネをかけずに過ごした日があって、その日はしっかり頭が痛くなりました。おかげで、自分の頭痛が目から始まっていることが、はっきり分かりました。
もうひとつ多いのが、パソコンで仕事をした日の夕方です。痛むのは決まって後頭部で、ちょうど首と頭の境目のあたりです。
目が乾く、目を使いすぎる。どちらも入り口は目で、痛むのは首の上。痛い場所と原因の場所は、やっぱり離れています。
ゲンコツで頭をこする方法

1. ゲンコツの出っぱりを使う
手を軽く握ると、指の真ん中の関節が、正面に山のように並んで出っぱります。この4つの出っぱりを使います。
指の腹ではなく関節を使う理由は、ふたつあります。
ひとつは、面積が狭いぶん、圧が一点に集まること。頭皮は思ったより厚みがあるので、指の腹だと力が散ってしまいます。
もうひとつは、指が疲れないこと。指先で押すと、頭がほぐれる前に自分の指が痛くなります。関節なら、腕の重みをそのまま乗せられます。
2. ゴリゴリして「痛い場所」を探す
いきなり強く押さず、まず探します。
ゲンコツを頭に当てて、小さく前後に動かしながら位置を変えていきます。頭全体をなでるように回っていくと、ある一点で「ここ痛っ」となる場所が見つかります。
探す目安は耳の上から、こめかみの上あたり。ここは、目を使いすぎたときと、歯を食いしばったときに固まります。噛みしめのくせがある方は、ここが一番多いかもしれません。
次は後頭部の、髪の生えぎわのくぼみ。首と頭の境目です。うつむく時間が長い人はほぼ必ずこっています。
耳のうしろの骨の出っぱりのまわり。首の筋肉が頭にくっついている場所です。
頭のてっぺん。ここは筋肉ではなく、薄い膜が張っている場所です。まわりの筋肉に引っぱられて、硬くなります。
私は毎回同じ場所とは限りません。その日痛いところを探すというのが、この方法のいいところです。
3. 痛気持ちいい力でこする
見つけたら、そこをこすります。押しっぱなしではなく、小さく動かします。
力加減は「痛気持ちいい」ところ。顔がゆがむほど強くする必要はありません。
強すぎると逆効果になります。頭皮を強くもみすぎて、かえって頭が痛くなることがあるからです。「もっと強く」ではなく「ちょうどいい」を探すものだと思ってください。
やりながら息を止めがちなので、ふつうに呼吸を続けるのもコツです。
4. 「痛気持ちいい」が消えたらやめる
ここが一番大事なところだと思っています。
1分ほど続けていると、さっきまであった痛気持ちいい感じが、だんだん薄れてきます。「あれ、もう痛くないな」という状態です。
そうなったら、そこでやめます。
物足りなく感じても続けません。感覚が消えたということは、その場所の役目が終わったということです。まだ他に痛い場所があるなら、そちらへ移ります。
私はこのあと、いつも首が軽くなっているのに気づきます。頭のほうも、気がつくと痛みが薄れています。
注意点はこれをやっているときは目をつぶったほうがいいです。なぜなら、視界が揺れて気持ち悪くなる可能性があるので…
頭痛が楽になるのはもっと時間のかかるものだと思っていたので、最初は自分でも意外でした。薬を飲んで効いてくるのを待つより、ずっと早いくらいです。
なぜ、こするだけで楽になるのか

調べてみると、いくつかの仕組みが重なっているようです。
1つめは、血の流れです。
固まった筋肉の中は、血のめぐりが悪くなっています。酸素が届かず、老廃物がたまり、その状態がさらに筋肉を縮ませる、という悪循環になります。
そこを圧迫すると、いったん血が止まります。そして離した瞬間に、まとめて流れ込みます。この「止めて、流す」がたまったものを押し流します。
こすっているうちに、その部分がじんわり温かくなることがありますが、あれが流れが戻ってきたサインです。
2つめは、痛みの感じ方が変わることです。
同じ場所に圧をかけ続けると、そこの神経が「痛い」と伝える度合いが下がっていきます。痛気持ちいい感じが消えるのは、この変化が起きたということです。
そして痛みの信号が減ると、脳から筋肉に出ていた「縮んでいろ」という命令もゆるみます。だから、こすった場所だけでなく、首全体が軽くなるわけです。
3つめは、頭皮と首がつながっていることです。
頭のてっぺんに張っている膜は、おでこ・こめかみ・後頭部の筋肉と一枚につながっています。どこか一か所が引っぱられると、全体が張ります。
逆に言えば、どこか一か所をゆるめると、全体がゆるむということでもあります。頭を触っているのに首が楽になるのは、このためです。
食いしばりからくる頭の張りについては、腰痛セルフケアは「咬筋」から!頬をもむだけにも書きました。あごと頭は近い場所なので、あわせて読んでもらえると分かりやすいと思います。
頭痛薬との付き合い方について

薬を否定したいわけではありません。つらいときに飲むのは、まったく問題ないと思っています。
ただ、私が経験した「翌日までふわふわする」感じについては、ひとつ知っておくといいことがあります。
市販の頭痛薬には、痛み止めの成分だけでなく、眠気を起こす鎮静成分が入っているものがあります。「ブロモバレリル尿素」「アリルイソプロピルアセチル尿素」といった名前です。
これは効果を高めるために配合されているものですが、人によっては翌日まで眠気やぼんやり感が残ります。私のふわふわ感は、おそらくこれでした。
眠気を避けたいなら、成分表を見て、これらが入っていないものを選ぶという手があります。パッケージではなく、裏の成分欄を見てください。
もうひとつ知っておきたいのが、飲む回数が増えすぎると、薬そのものが頭痛の原因になることがあることです。「薬剤の使用過多による頭痛」と呼ばれます。
目安として、成分がひとつの痛み止めなら月に15日以上、複数の成分が混ざった総合タイプなら月に10日以上を、3か月を超えて続けている場合は注意が必要とされています。
裏を返せば、たまに飲むぶんには心配しすぎなくていいということです。心配なのは「回数が増えていること」のほうなので、そういうときこそ、薬以外の手を持っておく意味があります。
頭痛のQ&A

Q. 道具を使ってもいいですか?
かまいませんが、まずはゲンコツで試してみてください。
道具は力の加減が分かりにくく、強くなりすぎることがあります。ゲンコツなら、押し返される感覚が自分の腕に返ってくるので、加減を間違えにくいです。
Q. どれくらいの頻度でやっていいですか?
痛くなったときで十分です。予防のつもりで毎日長時間やる必要はありません。
同じ場所を繰り返し強く刺激すると、かえって張りが出ることがあります。
Q. 髪が濡れていてもできますか?
できます。お風呂の中は体が温まっていて筋肉がゆるみやすいので、やりやすい方も多いと思います。
ただし、のぼせないよう長くやりすぎないでください。
Q. 効かないときはどうすればいいですか?
痛みの出どころが首や頭皮ではない可能性があります。
こする場所を変えても変化がないときは、無理に続けず、いったんやめてください。強くすれば効くというものではありません。
まとめ

薬を飲む前に、試せることがあります。
- ゲンコツを作って、出っぱった関節を当てる
- 頭をこすって、痛い場所を探す
- 痛気持ちいい力で、1分ほどこする
- その感覚が消えたら、そこでやめる
時間があるときは、少し昼寝をするのもよく効きます。目を閉じているあいだに、乾きも、首のこわばりもゆるみます。
そして、頭痛が起きてからより起きる前が大事です。目が乾きやすい方は、度なしのメガネで風をよけるだけでも変わります。私はこれで、頭痛になる回数そのものが減りました。
頭が痛いとき、私たちはつい頭そのものを気にしますが、元をたどると首や目の疲れだったということが、けっこうあります。
次に頭が痛くなったら、まずゲンコツを作って、後頭部の生えぎわを探ってみてください。「痛っ」となる場所が見つかったら、そこがあなたの今日の場所です。
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この記事について
ここに書いたのは、私自身が実際にやっていることと、その仕組みについて調べたことをまとめたものです。効果の感じ方には個人差があり、すべての頭痛に当てはまるものではありません。
また、次のような頭痛のときは、セルフケアで様子を見ずに、すぐに医療機関を受診してください。
- 今までに経験したことのない、突然の激しい頭痛
- だんだん強くなる頭痛、日ごとに悪くなる頭痛
- 発熱をともなう頭痛、首が硬くて曲げにくい
- 手足のしびれ、力が入らない、ろれつが回らない、物が二重に見える
- 頭を打ったあとに始まった頭痛
- 今までなかったのに、最近になって頭痛が始まった
頭痛薬の選び方や飲み合わせについては、薬局の薬剤師さんに相談すると確実です。持病がある方、ほかのお薬を飲んでいる方は、自己判断せず、かかりつけの医療機関にご相談ください。
